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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部

日時: 2016/10/15 00:08:46
名前: 敗北者
ID: dcf6d19aaa

【第一部までのあらすじ】
現実世界で落ちこぼれ、惨めに生涯を終えた低スペック青年・李信(直江山城守兼続)。彼が次に目を覚ましたのは生前憧れていた二次元世界だった。憧れの漫画(アニメ)作品の能力を手に入れ若返り容姿も変貌して歓喜した李信だったが、転生して早々逮捕の危機に遭う。李信は早速能力を使い敵を撃退、ぐり~んが治めるグリーン王国に落ち延びて将軍となり、この世界に転生してきたポケガイ住民達と協力しながら様々な戦いで策や力を用いてサバやかっしー、荒喧などの敵を滅ぼし生き延びた。

一方、エイジス・リブレッシャー(氷河期)はガルガイド王国の騎士となっていた。正体を知らずに李信と激闘を繰り広げ打ち負かし一時和解するも方針の違いから決別。その間に王国の惨状を見て未来を憂い離反したリキッドと交戦するもオルトロスの介入により取り逃がす。その後ガルドリア城でリキッドや李信と再戦しリキッドを倒すことに成功するが北条の介入により敗北する。改心したエイジスは荒喧四天王の幽霊を撃破してボスのヒノ荒らしに挑むも敗北してしまう。ヒノ荒らしの圧倒的実力の前に為す術を持たなかったが、途中参戦した水素によりヒノ荒らしは倒され、世界に一応の平和が訪れたのだった。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.430 )

日時: 2017/02/08 23:25:52
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 5694144353

「俺はさ、最初は基本的な身体能力強化術しか使えなかったんだ。だから、強くなる為に強力な精霊術や氷属性魔法を習得した。修行や戦いの中でな。

貴方は戦ったことありますよね?李信という男です。彼は特殊な能力や技を使います。魔力では無く、霊圧というエネルギーを有しています。その李信が…」

氷河期は李信の実力や彼が挙げた戦果、北条や水素について、対スカグルの自分や李信、水素、北条の戦績、セールに話された内容などを洗いざらい話した。

「李信…ええ、その名前を聞くと思い出すわね。彼は身分証を持っていなかったから捕縛しようとしたら逆襲してきたわ。その時彼が使ってきたのは…破道とか縛道とか言ってたわね。後は卍解とか月牙天衝とか…後で知ったんだけどあの時彼は異世界からこの世界に来たばかりだった。なのに自分が使う技の名前をスラスラ叫んでたわ。自分で考えたとは考えにくいし……」

女性は李信の名で思い出した。彼に殺されかけたこと、氷河期と激闘を繰り広げていたこと、見たこともない力を使っていたこと。強くて、情が無くて、冷たくて、痛々しくて、とにかくこの女性は李信が嫌いだった。氷河期と李信が和解し仲間になった後も。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.431 )

日時: 2017/02/09 01:33:03
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 42235f6b15

李信。

死神と一口に説明していたが奴は虚(ホロウ)や滅却師(クインシー)、完現術者(フルブリンガー)、バウント等々のサラブレッドらしい。崩玉を胸に嵌め込んで融合してるし、超速再生も出来る。

早い話が、チート野郎だ。俺が血の滲むような努力や過酷な戦いで手に入れた強力な技や能力と同じくらいの力を奴はこの異世界に来た時から有していた。

好きに未来を改変したり見たり受けたりした相手の能力を無効化するジ・オールマイティ、触れてきた相手や攻撃を消し去ったり斬った相手を消し飛ばす残火の太刀、受けたダメージを相手に移すザ・バランス、相手の五感を操る鏡花水月、見えない空気の刃を任意の場所に創り出す雨露柘榴、創造を現実にするザ・ヴィジョナリー、それに強力な鬼道や虚閃、完全虚化、超高速移動の響転や瞬歩……ふざけてんのか?

彼は生前ポケガイで古い付き合いの仲間だが正直こういうところが非常に気に食わない。努力せずに自堕落に生きてきた人間らしい。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.432 )

日時: 2017/02/09 08:56:04
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 42235f6b15

アティークの技を思い出した。あいつな念じた対象を燃やし尽くせる技を持っている。俺も念じた対象を凍らせて更に氷ごと粉微塵に出来る技を身につけよう!

しかし習得する方法が思いつかない。こうなったら…


「セールさん居ます?」

俺はポケガイ城の執務室の前に来てセールさんを呼んだ。

「入れ」
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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.433 )

日時: 2017/02/09 10:58:54
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 42235f6b15

アティークはグリーン王国の大将軍だった。グリーン王国の軍を束ねる総帥的な立場である。しかし後から王国に入ってきた大将軍・セールに総帥の座を奪われ不満を抱きグリーン王国に叛旗を翻し一夜にしてクーデターを決行し滅ぼした。更にゾロアスター教を奨励し世界を宗教の力で掌握しようと各地に侵攻したが、牡丹王国での決戦で敗れた。その結果今はこのポケガイ城の地下牢獄最下層の『無間』に収監されている。

牢の中で拘束椅子に手脚を拘束され、眼にも黒い目隠しの拘束具がかけられている。これが世界を震撼させた帝国を築いた男の成れの果てであると、氷河期は敵ながら世の無常に複雑な思いを抱いた。少しだが。

「その声はエイジス…氷河期だな。お前が俺に会いに来るとは珍しい。用件は何だ?」

「新しい技を開発したい。お前は念じた対象を燃やし尽くせる技を持っている。それをどう発動してるのか教えて欲しい」

「ふうむ…そうか。だが断る」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.434 )

日時: 2017/02/09 12:27:44
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 42235f6b15

アティークの体の魔力の流れ、記憶を見た俺が見つけた答えは『脳』。

当たり前だが、人間は脳で何かを思い、考え、念じる。脳に膨大な魔力を送り込み、更に脳から全身、体外の任意の場所へ……それがアティークの技『燃焼』の答えだった。アティークはそれを瞬時にやってのけていた。流石は神使いというところだろうか。

アティークとの面会が終わり城から出た俺は、帝都にある大きな広場に来ていた。無論、アティークから得た情報をもとに新技を開発、会得する為だ。

「お、氷河期じゃん」

また会ったな小銭十魔。お前が広場に何の用だ?

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.435 )

日時: 2017/02/09 23:24:28
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 42235f6b15

イメージBGM→https://m.youtube.com/watch?v=OYirNgH4eaQ

「クラスカード『アーチャー』!」

小銭はアーチャーのクラスカードをポケットから取り出して発動、黄金に輝く鎧を身につけたギルガメッシュの姿になる。

「行くぞ騎士団長!魔力の貯蔵は十分か!」

おい、小銭。それはアーチャー違いだ。それギルガメッシュじゃなくてエミヤのセリフだ。お前ギルガメッシュだからエミヤにやられる役だ。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.436 )

日時: 2017/02/10 00:03:09
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9cbd3ad97e

「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!」

小銭のエヌマ・エリシュ。流石に最強宝具から放たれる一撃に俺の通常技が勝てるわけがなく、冷殺斬はエヌマ・エリシュにかき消される。俺はジャンプして小銭の一撃を回避すると、冷殺剣を再び振るう。

「強化された冷殺剣の技、受けてみるがいい…!」

冷殺剣を振るうと、見渡す限りの世界の空間が凍結される。無論、俺を除いて。小銭も空間と共に効率化されて身動きが取れなくなった。

「今なら試すチャンスだな」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.437 )

日時: 2017/02/10 10:53:28
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9cbd3ad97e

小銭が投擲した槍が俺の心臓目掛けて直線的な軌跡を描いて飛んで来る。

「うおおおおおおおおお!!」

俺は冷殺剣を振るい刃の部分を飛んで来た槍の穂先に当てて激突する。この魔眼があるからこそ為せる技だ。

数秒程の剣と槍との衝突、そしてその後に俺は槍を叩き落とした。

「行くぞ、小銭…十魔…!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.438 )

日時: 2017/02/10 12:32:43
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9cbd3ad97e

「偽・螺旋剣(カラドボルグⅡ)」

小銭が黒羊弓を固有結界から取り出し、更にドリルのように捩じれた刀身を持った剣を取り出して矢へと変えてつがえる。そう、俺に狙いを定めて。
その真名を解放してやることで、螺旋剣は空間をも貫く無敵の徹甲弾と化す強力な宝具だ。

「はぁっ!」

小銭が黒羊弓からカラドボルグⅡを放つ。ほぼ一直線に軌跡を描いて俺目掛けて飛んでくる。

「冷凍の矢(フリージングアロー)!」
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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.439 )

日時: 2017/02/10 12:50:10
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9cbd3ad97e

気がついたら俺は小銭と10m程距離を取っていた。さっきまで至近距離で打ち合いをしてたのに。

さっき声が聞こえた方向を見ると星屑が立っていた。ということは、今のはこいつのスタンドか。

「あ…ありのまま 今起こった事を話すぜ!俺は小銭の心臓目掛けて短剣を突き出したと思ったら小銭と引き離されていた!

な…何を言っているのかわからねーと思うが 俺も何をされたのかわからなかった…

頭がどうにかなりそうだった… 催眠術だとか超スピードだとか 、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.440 )

日時: 2017/02/10 15:18:41
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9cbd3ad97e

事件は夜に起きた。

ポケガイ城地下牢獄最下層『無間』

背中の5枚の光の剣を一つに束ねてマントとし、1枚を取り出し右手に持ったドナルドがホワイトホールを使いワープし潜入していた。これにより厳重に警備されている道をスルー出来たのだ。

「止まれ!何者だ!」

「此処は許可を得た者、関係者以外立ち入り禁止だ!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.441 )

日時: 2017/02/10 15:57:25
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9cbd3ad97e

アティーク、脱獄失踪。

その報はすぐに久しぶりに自宅に戻り眠っていたセールにもたらされた。

「セール、大変だ!」

この1000坪はあるであろう広大な敷地と屋敷セール宅に血相変えて駆けてきたのはセールの側近・筋肉即売会である。彼は時間帯も憚らずに大声で、ドンドンドンドンとドアを叩きながらセールを呼ぶ。

「…喧しいぞ。こんな時間に何の用だ」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.442 )

日時: 2017/02/10 16:41:25
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9cbd3ad97e

少し前。

氷河期宅にもアティーク失踪の報はもたらされる。氷河期宅にはインターホンがついている。いや、セール宅にもあるのだが筋肉即売会は少々気が動転していてインターホンさえ目に入らなかった。

ピンポーンと家中に響くインターホンが鳴る音。時刻は既に深夜0時。皆寝静まっている頃の筈。

それでも小銭十魔はインターホンを何度も押す。今は相手が寝ていることや常識などを考えている場合ではない。小銭はそう思っていたからである。

小銭もつい先刻に自宅で寝ていたところを兵の1人に訪ねられてアティーク失踪を聞いたばかりである。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.443 )

日時: 2017/02/10 18:42:12
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9cbd3ad97e

「ってことは星屑、お前も知ってるんだな?」

小銭が星屑に尋ねる。

「ああ。やっと苦労して封印して牢屋にぶち込んだアティークに逃げられたらしいじゃねえか!とにかく城に行くぜ!セールからも何か話がある筈だ!」

「そうだな。水素も直江も北条も、オルトロス達も居ない今俺達でこの都を守るしかないからな!」

氷河期は忘れ物が無いかと自らの体の周りを手で探って確認し頷く。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.444 )

日時: 2017/02/10 21:01:58
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9cbd3ad97e

結局、ポケガイ帝国は全力を挙げて捜索したがアティークの手掛かりを掴むことは出来なかった。世界を震撼させたペルシャ帝国のアティークが脱獄した事実は世界中に知らされることになり、世界中が大混乱に陥った。

「夜が明けても見つからなかったな…」

筋肉即売会が溜息をついてから険しい表情でセールに声をかける。

「氷河期も星屑もよく捜してくれたが…1万の軍を捜索に投入しても手掛かりが無いということは捜索を始める前から既に遠くに逃げたってことだ。つまり…」

「つまり?」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.445 )

日時: 2017/02/10 21:36:36
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9cbd3ad97e

慌ただしい夜が明けた。

セールからスカグルアジトの捜索を命じられた調査隊…すなわちオルトロス、赤牡丹、マロン、Wあの4人の旅立ちの朝が訪れた。

4人は帝都の港に集まっていた。これから船に乗り込んで出港し、海路での旅が始まるのである。

「出発前に言っておきたいことがあります」

Wあが他の3人の前に出て向き直る。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.446 )

日時: 2017/02/10 22:48:34
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9cbd3ad97e

https://m.youtube.com/watch?v=PCfiqY05BpA←イメージBGM

ポケガイ帝国領外 某所 スカグル新アジト

「知っての通り北条に逃げられた。そして我がスカグルは水素や李信、北条、そしてソラとかいう仮面ライダーに変身する男により8人が倒された。我らは残り4人。大望を果たすには心許ない」

「そこで新たな仲間を2人迎えることにした。まずはアティーク、自己紹介しろ」

スカグルアジトに残る4人が影だけ集まり会議を始めている。因みに眼だけはきちんと映し出されている。ドナルドに促されて2人の影が新たに現れる。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.447 )

日時: 2017/02/10 23:32:59
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9cbd3ad97e

海の浅瀬に架けられた短い桟橋に腰かけ黄昏ているドナルドⅢ世。何をしているかといえば、そこに生息している鮫の観察だった。澄んだ水面の奥に見えるのは、共食いを行う鮫の稚魚の群れ。

「貴方がドナルドⅢ世さんですか?」

慇懃無礼な口調で後ろから近づいてくるのは同じスカグルの坂崎だった。

「私は坂崎。スカグルの一員にしてガンダムを操るパイロットです。おや?鮫の観察ですか?好きなんですねぇ、鮫」

自己紹介する坂崎に対してドナルドⅢ世は無言である。坂崎に構わず鮫の観察を続ける。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.448 )

日時: 2017/02/11 10:23:53
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 3b83120d94

「光あるところに必ず影がある」

「だが俺は必ず世界を創り変えてみせる。そう、人類や神界を自らの意のままに支配することしか考えていない愚かな神々を滅ぼし新たな世界を創造し俺が凪鞘の力を使い支配する」

「これは他の神々とは違う。破壊と創造の先にあるのは俺が全ての者の幸福を追求する世界となる」

「勝者がいれば必ず敗者が居る。金持ちが居れば必ず貧乏人が居る。イケメンが居れば必ずブサメンが居る。複数内定者が居れば必ず無内定者が居る。強者が居れば必ず弱者が居る」

「そのような世界を、俺は壊す」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.449 )

日時: 2017/02/11 14:39:17
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 3b83120d94

スカグル。名前の由来はスカイプグループの略である。何故スカイプを利用していないメンバーばかりなのにこの名がついたのか?答えは『適当』である。他に良い名前が思いつかなかったんだろう。ならば他にもっと良い名前は無かったのか?『見えざる帝国』とか『暁』とか『ヒーロー協会』とか『アオギリの樹』とか『フレア団』とか『幻影旅団』とか……。

スカグルは元々20人程の組織だった。その目的は「世界を平和に導く為に、対話による和平を結ばせ国家間の戦争を無くすこと」

スカグル誕生の話はそこから始まる……。

ドナルドが転生してくる更に3年前。グリーン王国とNAK帝国の領土に周りを囲まれている小さな国『徐』があった。グリーン王国とNAK帝国の境に位置し、グリナ峠周辺を領土とする、面積にしてヴァチカン市国と同じくらいの小さな小さな国。峠や山脈に囲まれた盆地であり総人口は僅か5万人。この小さな村落同然の国から、スカグルの全てが始まったと言っても過言ではない。

その国には、3人の若者が居た。名を領那、風炎、クロノスという。外見年齢は領那が11歳くらい、風炎が14歳くらい、クロノスが15~16歳くらいだった。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.450 )

日時: 2017/02/12 10:55:13
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 55f64ec709

木がところどころに生い茂る徐領内の山の中…

「よーし見ててー!いくよー!」

コインを右手の親指で上に向かって弾き落ちてきたところをまた指で正面に向かって放つ、領那の得意技『超電磁砲(レールガン)』である。コインは電撃を帯びて獲物であるブルファンゴの胴を貫いた。貫かれたブルファンゴは悲鳴を上げて血の池を広げながら倒れて動かなくなった。

「おお、こりゃ大物だな!やったな領那!」

風炎は領那の頭を撫でて褒めると領那は「このくらい当然よ!」と誇らしげに笑う。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.451 )

日時: 2017/02/12 11:45:39
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 55f64ec709

3人が獲物を何体か狩って村へ帰る。山の中から村へと続く獣道を歩いて村の入口に出ると、そこには目を覆いたくなるような光景が繰り広げられていた。

この徐は、グリーン王国とNAK帝国の戦争の戦場にされていた。緑色の甲冑を纏った将兵達とNと描かれた旗指物を指した将兵達が数千人規模で血で血を洗う凄惨な殺し合いを繰り広げている。

緑に囲まれた村落は一変して血に染められていた。兵士達が村落の人間にも手を出し、略奪や誘拐、殺戮をした為に壊滅状態となっている。家々には火が放たれ、天をも焦がす勢いで煙が舞い上がっている。

「何だこれ…でも徐は…」

「ああ、徐はグリーン王国とNAK帝国の両方から戦場にしないというお墨付きを貰ってた筈だ」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.452 )

日時: 2017/02/12 13:33:28
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 55f64ec709

「ねえ、どうして戦争なんて起きると思う?」

領那からの2人への質問。子供じみていると言えばそれで終わってしまうが、人間が社会という名のコミュニティを構築して以来、いやむしろそれ以前からの永遠に解決しないテーマとも言える。

「領那、俺達はさっき動物を狩ったろ?何の為に狩った?」

「それは…もちろん生きる為の食糧としてよ」

何を当たり前のことを、という態度でクロノスの質問に答える領那。当然だ。人間は生きる為に他の生き物の命を奪わなければならない。自然破壊を行わなければならない。それが人間として生まれた者全てが背負う業であり、原罪である。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.453 )

日時: 2017/02/12 13:50:20
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 55f64ec709

出汁で溶いた味噌を放り込み、グツグツと音がするとすかさずアオアシラの肉を放り込む。3人で食べるにはアオアシラは大き過ぎる。残りは干し肉にして保存食にしようと話し合いながらそれぞれ野菜や肉をお玉で掬って自分の椀に入れて食べる。

「これからどうするよ?幸い俺達の家は無事だ。このまま此処で……」

「そうはいかないだろうな。此処はどうせまた戦場にされる。今日はグリーン王国もNAK帝国も一般の将兵しか居なかったものの……。ぐり~ん2号やNAK3号は強力な能力者だ。俺達3人では襲われた時心許ない。更に大将軍のアティークとなると…」

風炎が甘い考えを口にするが、すぐにクロノスが遮る。

「ねえ、私達ってこの世界の中でどのくらい強いと思う?」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.454 )

日時: 2017/02/12 14:05:48
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 55f64ec709

領那の提案により、たった3人による組織が発足した。目的は「世界中の戦争を対話により無くすこと」。

しかし組織名が中々決まらない。3人が先程から案を出し合っているがどれもピンと来ないのである。

「組織名はスカイプグループでどうだ?」

クロノスが新たな案を出す。

「スカイプグループ?」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.455 )

日時: 2017/02/12 17:20:50
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 55f64ec709

翌朝から早速スカグルの活動は始まった。

「まずやらねばならんことはメンバー集めだ。3人だけではまともな活動も出来まい」

クロノスの言葉は最もだった。3人だけでは如何に立派な名前(笑)を付けようと組織として成り立ち活動するのは難しい。

「メンバー集めをする為には力を示さねばならない。力を示せば自ずと強者が集まってくる。だから結局は俺達3人がまず行動するしかないのだ」

風炎の言うことも最もだ。何の実績も無い組織でメンバーを募集しても集まる筈もないのだ。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.456 )

日時: 2017/02/12 21:15:21
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 55f64ec709

戦場に介入し突如自軍の兵士を斬り捨てられた呉軍は浮き足立った。

「縛虎申千人将!あいつらどうします!?」

「相手はたった3人だ!一揉みに揉み潰せ!」

縛虎申と呼ばれた千人将の命令により、呉軍はスカグルの3人目掛けて剣を持って斬りかかる。

「止まれって言ってるのが分からないの?!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.457 )

日時: 2017/02/12 22:07:30
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 55f64ec709

「俺達はスカグルだ!対話により戦争を集結させる為に結成した組織!お前達の戦闘をやめさせる為に介入した!」

リーダーであるクロノスが自身の名と目的を明かすと、呉越両軍がざわめき出す。こいつは何を言ってるんだ?と。

「話に応じるなら我々も矛を収める!しかし応じないというのであれば実力行使もやむを得ない!」

クロノスは続けて自身達の力を背景とした恫喝にも似た宣言を行う。

「両軍の総大将に出てきて頂こう!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.458 )

日時: 2017/02/13 16:22:24
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: ef73b953e5

※著者が怠いと感じてきたんでスカグルの過去編はかなり端折るかもしれません。ご了承下さいませ。

僅か3人から始まったスカグルの活動。小国間の争いであるものの、成果を残したスカグルの名は世界中に轟いた。…一瞬だが。

その成果を聞いた近隣の国々の戦士や騎士達が10人ほどスカグルに入団したいと志望して徐領の領那達3人の家に集まってきた(因みに全員ポケガイ民ではない名無しのモブ。名前?考えるの面倒臭い。能力は適当な魔法)。

クロノスは「志がありある程度の能力があるならば歓迎する」と言って志願者全員をスカグルに迎えた。これによりスカグルは3人から一気に20人の組織となった。

彼らはクロノスのカリスマに惹きつけられたのだ。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.459 )

日時: 2017/02/13 19:12:53
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: ef73b953e5

かくして、スカグル一行20名はサバラ砂漠に到着、オアシスの近くにぽつんと(?)立っている太さ200、長さ30m程の大樹の中身をくり抜き改造した。5層構造のスカグルのアジトが完成したのである。

早速スカグルはこのアジトを拠点に活動を開始、ルイ様帝国やしまっちゃう王国などの小規模な国同士の戦争を力と対話をもって次々と終結させた。

成果に次ぐ成果を重ね、スカグルはついに世界中にその名を轟かせた。

そこに、全世界に激震が走る事件が発生する。超大帝国のランドラ(名前の由来はコードギアスに登場する地名であるペンドラゴンと、セール氏が好きなランボーから)帝国と、ガルガイド王国(名前の由来はガルーラ+ガイド)領へ侵攻する為の準備を進めているというのだ。

「皆聞いてくれ。ランドラ帝国がもうじきガルガイド王国に侵攻を始める。その前に何としても戦争を阻止したい。その為にはランドラ帝国領に乗り込んで侵攻をやめさせるしかない。俺と領那と他10人で行く。風炎と他7人は留守を頼む」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.460 )

日時: 2017/02/13 19:37:20
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: ef73b953e5

「此処をランドラ帝国大将軍・セール殿の屋敷と知っての狼藉か!」

額当てを頭に巻いている少年が大音声で呼ばわる。服装は白い胴着の様な物に紫色の袴とズボンを融合させたような感じの物を履いていた。腰には紫色の縄が巻きつけられ、刀を一振り差していた。わざわざ大音声で叫ぶのはセール邸を守備している他の兵達にも注意を喚起する為である。

「そのセール大将軍に用があって参った。セール大将軍と話をさせてもらいたい」

クロノスが怖気づくことなく用向きを伝える。

「何処の誰とも知らん奴をセール殿に会わせるわけにはいかんな、それに堂々と正面からでなく忍び込もうとした奴の言うことなど信じられるか」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.461 )

日時: 2017/02/13 22:02:24
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: ef73b953e5

前髪で隠れていたがこの男、左眼も写輪眼である。

「写輪眼ってあのNARUTOに出てくる…」

「その写輪眼だ!俺はこの国の忍・北条!写輪眼の北条だ!」

警備の男は北条と名乗り両手で高速で術の印を結ぶ。

「火遁・豪火球の術!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.462 )

日時: 2017/02/14 21:55:43
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: b30e1810d3

NARUTOの世界の性質変化では、雷遁は風遁に弱い。領那は電気使いということで北条は風遁を使用した。だが北条が放った風遁は領那の電磁バリアにより弾かれてしまった。

「残念ね!そんな弱い攻撃じゃ私の熱いハートを痺れさせることは出来ないわよ!」

領那が全身から放電しての落雷攻撃が北条に直撃する。

「雷は千分の一秒・・・音よりも速い」 by NARUTOのゼツ とのことなので、如何に北条が写輪眼を発動していても落雷を回避することは出来なかった。

「写輪眼の北条が聞いて呆れるわね!その程度でこのレールガンの足止めをしようなんて100年早かったのよ!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.463 )

日時: 2017/02/14 22:22:49
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: b30e1810d3

一方クロノスはセール邸に飛び込んで階段の上に居るセールと対峙していた。

「貴殿が大将軍のセール殿か」

サングラスをかけ、黒いレザーコートに身を包んでいる筋肉質の男。彼こそが大将軍・セールである。

「外が騒がしいと思ったら貴様の仕業か。夜分に何の用だ?堂々と屋敷の入り口から入り込んでくる辺り暗殺ではなさそうだが」

セールは低い、精悍で重みのある声でクロノスに尋ねる。サングラスの奥の眼が見えないので表情は掴みにくいが。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.464 )

日時: 2017/02/14 23:12:55
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: b30e1810d3

「俺は戦争で故郷を失った!親切にしてくれた人を沢山失った!戦災孤児になった子供達を沢山見てきた!母子家庭になって貧しさに喘ぐ人々を見てきた!腕や足を失った人達を見てきた!半身麻痺になった人達を見てきた!愛する人を失い泣き崩れる人達を見てきた!戦争は所詮強者による暴力だ!お前のような身勝手な奴が弱き者を虐げているのだ!」

「言いたいことはそれだけか?弱者」

セールは右腕を変形させてガトリングガンをクロノスに向けて連射する。

「クッ…!」

クロノスは全ての弾丸を剣で弾いたり叩き落とす。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.465 )

日時: 2017/02/15 22:33:59
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: dc9560bc17

セールのプロレス技により生き絶えたかと思われたクロノスだが、技を受けている最中に既に『ベホマズン』を発動しており、プロレス技を喰らって数秒後に蹌踉めきながらも立ち上がった。

「空烈斬!」

剣を振り下ろし『真空波』と『ギガスラッシュ』を融合させた斬撃を放つ。

「まだ力の差が分かっていないようだな」

セールは指一本で斬撃を弾いて決してしまった。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.466 )

日時: 2017/02/16 12:16:20
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9ae37d5110

回復魔法で焼かれた肉体の部位を回復し、またもや立ち上がるクロノス。そしてクロノスは北条の姿を見て顔が真っ青になる。

「貴様…領那はどうした!」

怒気が多分に含まれた一喝。しかし北条は涼しい顔で答える。

「俺が此処に居るってことは…分かるだろ?」

領那が死んだ。目の前の写輪眼を持った忍者によって。そして自分もその忍者とセールに挟み込まれている。まさに絶対絶命の状況だった。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.467 )

日時: 2017/02/16 12:44:35
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9ae37d5110

移動呪文『ルーラ』でクロノスが着いた先はランドラ城にある兵糧(食糧)庫だった。実はスカグルの団員であるモブ達にも、セール邸の警備兵に手こずるなら透明になる魔法で身を隠してこの兵糧庫に集まるように指示していた。

先に到着していたモブ達が兵糧庫周辺の警備兵を始末し、クロノスを待っていたのだ。クロノスが説得に成功しようが失敗しようがルーラで移動して合流する算段だった。

「セール大将軍の説得には残念ながら失敗した。なのでこれよりこの食糧庫の焼き討ちを行う」

「あと領那、起きろ。『ザオリク』」

クロノスの蘇生呪文により聖なる光が領那の死体を包み込む。すると領那は目を開けて起き上がった。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.468 )

日時: 2017/02/16 22:03:38
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9ae37d5110

「大変です!」

ランドラ軍の下っ端兵士が血相変えてセール邸に駆け込んでくる。

「何だ騒々しい。俺は眠いんだ」

「それどころではありません!我が軍の兵糧が全て燃やされました!」

「何だと?!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.469 )

日時: 2017/02/16 22:37:07
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9ae37d5110

「北条、お前の責任ではない。奴らの動きを想定して兵糧庫の守りを厚くしなかった俺に非がある」

ゲノンは打ち拉がれ、玉座に座りながら項垂れてしまった。

「今は誰の責任かなんて話している場合じゃありませんよ。ガルガイド侵攻にあたる軍議を開かねばなりません」

横から口を挟んできたのはこの招集に列席していた将軍の1人・水瓶だった。

「は?何言ってんのお前。兵糧がねえって言ってんだろうが」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.470 )

日時: 2017/02/18 11:58:30
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: bb843384a3

「そもそもな、国や故郷・家族のことを思い、考え必死に勝とうという気持ちで戦えば食べ物なんて口に入るわけがないんだ。人間は国や家族からのありがとうで生きていけるんだよ。勝った時の感動、勝とうとする気持ち…それを食べて将士は強くなる」

水瓶がそう語った。左手を胸に手を当て、右手でジェスチャーしながらの狂気の熱弁である。

「……おいお前それ、まんまあれじゃん。ワタ◯じゃん。ブラック企業の社長の言うこと真に受けてんのかよクレイジーだな」

北条が、頭のネジの何本かは緩んでいるであろう水瓶の発言にドン引き。

「水瓶、お前は引っ込んでろ。所詮お前の言ってることは感情論と根性論、時代遅れだ。普通に考えて空腹の兵で落とせる程あの国は甘くない。本当に恐ろしいのは有能な敵ではなく無能な味方…つまりお前のことだ。戦争は精神論では勝てない。あらやる物事を合理的に思考し、計算し、判断しなければならない」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.471 )

日時: 2017/02/18 12:38:18
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: bb843384a3

サバラ砂漠 スカグルアジト

「セール大将軍の説得には失敗したものの、結果的に俺達スカグルは大国同士の戦争を止めることに成功した。皆よくやってくれた。

だが、もう恐らく次からは食糧庫の襲撃は不可能となる。今回の件で各国は食糧庫の守りを厳重に固めるだろうからな。各々、心して欲しい。

そして早速次やらねばならないことが出来そうだ。隣国のグリーン王国がガルガイドへの侵攻を計画しているとの情報を耳にした。今回は領那に加えて風炎にも参加してもらう。出立は明後日だ。それまで各自体を休めておけ」

リーダークロノスは団員達への労わりの言葉と次のターゲットについて語ると、奥の自室に戻っていった。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.472 )

日時: 2017/02/18 14:34:59
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: bb843384a3

クロノス、風炎、領那を始めとするスカグル一行は数日後の深夜にグリーン王国領の帝都から5km離れた性春大橋前の森の出口に辿り着いた。

「では、手筈通りに俺と領那は本隊8人を率いて橋を破壊する。注意を引きつけている間に風炎率いる別働隊は付近にある輸送物資保管拠点を破壊しろ。行くぞ!」

「承知。武運を祈る」

クロノスの指示で風炎は別働隊を率いて本隊から分かれ、そこから東の方角へと移動を始めた。風炎、領那は本隊として橋の破壊を行う為にそのまま北へと移動する。

クロノス率いる本隊が性春大橋に到着する。この橋はグリーン王国により大河であるグリーン川に架けられた軍用通路となる長さ2km、高さ60m、幅500mにも及ぶ大橋であり、グリーン王国にとって重大な進路であり、退路であり。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.473 )

日時: 2017/02/18 20:22:39
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: bb843384a3

「ギガスラッシュ!」

青き魔力をその剣に乗せて放つ高威力の斬撃…クロノスは星屑に接近して上段から剣を振り下ろす。

「輝彩滑刀!」

星屑の右腕から光り輝く刃が出現してクロノスのギガスラッシュを迎え撃つ。

「何だその脆い剣は…!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.474 )

日時: 2017/02/19 13:43:41
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9a7d7b0f22

「キャア!」

スタープラチナから繰り出されるラッシュを受けて領那は吐血しながら吹っ飛ばされてしまう。

「領那!大丈夫か!すぐ回復魔法をかけてやる!ベホマズン!」

聖なる光が領那を包み込み、折れていた骨や体内外の損傷を全て回復させた。

「ナイスよクロノス!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.475 )

日時: 2017/02/19 14:04:46
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9a7d7b0f22

「チッ…!橋が…!だが貴様も橋と運命を共にするがいい!波紋疾走連打!」

橋が崩落し、星屑とクロノスは橋と共に川へと落下していくが、星屑は背中の翼で飛行しながら波紋エネルギーを両手に纏ってクロノスに連打を叩き込む。

「クソッ!」

剣でガードするが早過ぎる連打を防ぎ切れず、クロノスは川へと落下、着水してしまった。

「海ならぬ川の藻屑となるがいい!さて、残りも始末しないとな!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.476 )

日時: 2017/02/19 16:58:04
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9a7d7b0f22

少し前 グリーン王国 性春大橋より東北東の方角 物資保管庫敷地内

この重要拠点を守備していたのはグリーン王国きっての将・小銭十魔だった。小銭は保管庫の中に居て今日も異常が無いかを目を光らせながら部下にも指示を出している。

軍事物資の管理かつ守備は、まだ実力が突出した能力者が少ない時代のこの世界の戦争において最重要と言っても過言ではない。前線に如何に効率的な運搬、必要な数の物資を補給出来るかは勝敗を左右する要素である。

王都グリーンバレーで大将軍のアティークが軍備を進め、軍を編成していく中で小銭はこの保管庫を任されていた。

「何か嫌な予感がするからちょっと外の見回りに行ってくる。チャイとしずくはこのまま保管庫の守備と指揮を続けてくれ」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.477 )

日時: 2017/02/19 19:10:25
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9a7d7b0f22

「小銭十魔とやら。油断は禁物だ」

「クラスカード『セイバー』!」

風の刃を心臓に受けたにも関わらず、小銭は『全て遠き理想郷(アヴァロン)』により損傷箇所を全て再生した。

「小銭十魔…やはり一筋縄ではいかないようだな!『カマイタチ』!」

風炎による発生する風の刃が指定した座標…つまり小銭の腰を境目に体を真っ二つに斬り裂く。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.478 )

日時: 2017/02/19 20:04:01
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 9a7d7b0f22

「風王鉄槌(ストライク・エア)!」

不可視化する為に纏わせた風を突きと共に解放することで破壊力を伴った暴風として撃ち出す。

「炎の壁!」

喉元に黄金の聖剣が突き出されようとした時、風炎は咄嗟に前面に炎の壁を展開し、一筋の暴風を完全にガードする。

「晒したな、秘蔵の剣!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.479 )

日時: 2017/02/20 15:13:54
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: f484365438

斬撃により風炎は頭の天辺から股まで綺麗に斬り裂かれ真っ二つになったが、その体は地に横たわる前に炎へと変わり爆炎で辺り一面を満たした。

「雑種め…!本体は何処だ!」

小銭は自身の周囲をキョロキョロと見回すが風炎の姿は確認出来ない。その矢先、物資保管庫から爆音が響き爆炎が噴き出した。

「しまった!」

小銭は察知した。自分が分身と戦っている間に本体は物資保管庫を破壊すべく狙っていたのだ。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.480 )

日時: 2017/02/20 15:31:45
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: f484365438

「小銭十魔、それにしずくなのだな」

小銭の背後から声が聞こえてくる。振り返ると、先程の男の姿がそこにはあった。

「よくも俺達の重要拠点を燃やしてくれたな、雑種。その罪は万死に値するぞ」

「おい小銭…じゃあこの火事は…」

「こいつの仕業だよ。こいつ、分身で俺を足止めしている隙にやりやがった」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.481 )

日時: 2017/02/20 16:03:37
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: f484365438

風炎は風により自身を後ろへと飛ばして瞬時に2人との距離を取る。

「無駄な争いはしないのがスカグルのポリシーでね。目的は達成したし俺はもう戦う理由無いんだわ。じゃあバイナラ!」

一方的な物言いと共に風炎は一陣の風に吹かれてその場から消え去った。

「畜生…!逃げられた!俺の面目丸潰れじゃねえか!」

任されていた物資保管庫を守れず、部下達を失い、その犯人を取り逃がすという失態を小銭は演じてしまった。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.482 )

日時: 2017/02/20 21:30:39
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: f484365438

性春大橋南岸

戦闘に及んでいたものの小銭が守る物資保管庫の炎上を受けて星屑は手を止めてとりあえずクロノスの話に耳を傾けることにした。

「話だけは聞いてやろう。俺の気が変わらない内に話せ」

星屑が考えていること。それはスカグルが考えていることを知れば有利に立ち回れる、グリーン王国に有利になる情報となるかもしれない。考えを聞いている姿勢を見せれば油断を誘えるという目論見もあった。

「今のこの世界の情勢は地球の北半球と南半球で大きく分けられている。俺達スカグルは北半球の大小様々な国から戦争を止めてきた。そして、北半球にはガルガイド、グリーン、ランドラの三つの大国が存在する。が、力が等しいわけではない。グリーンが最も強大で次にランドラ、三国で最も力が劣るのがガルガイドだ」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.483 )

日時: 2017/02/21 20:12:16
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: e8f131d5e0

「そうはいかない。一方的に人質に取られて言いなりになるつもりは無い」

星屑は領那を人質に出すように求めたが、星屑の要求は現実的ではない。もし人質を出したりしたら、グリーン王国はスカグルに一方的に様々な要求をするに決まっている。スカグルは平和な世を築く為の組織であり、グリーン王国の犬ではない。

「人質を出せないなら話はなかったことにする。此処でお前らには死んでもらう」

星屑は未だスタンドはスタープラチナしか使えない。しかし波紋と究極生命体の力があれば十分に倒せると踏んでいた。

「やはり説得は無理か。仕方ない。無理矢理にでも俺達はガルガイド領に退いて桑田王に奏上するとしよう。それに星屑、よく頭を使え」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.484 )

日時: 2017/02/22 16:46:59
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 4af004fef6

「おーい星屑ー!俺も居るぜ!」

「こんにちは!グリーン王国の小銭十魔です!つか橋破壊されてんじゃねえか!」

しずくなのと小銭が地に降り立った牛に繋がれているチャリオットから降りて星屑へと駆け寄ってくる。

「しずくなのに小銭!いいところに来た!こいつら俺らの邪魔しやがるから3人がかりでぶっ殺す!加勢しろ!」

星屑は小銭とはこの異世界に転生してから関わりを持った程度の間柄であるが、しずくなのとはとあるオンラインゲームを介して現実世界でも仲が良かった。なのでしずくなのには遠慮無く何かを言ったり頼んだり出来るのである。そのしずくなののリア友が小銭なので、その繋がりで小銭とも多少の交流を築いている。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.485 )

日時: 2017/02/22 19:22:01
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 4af004fef6

「この世界、この景観を形にできるのは、これが我ら全員の心象であるからだ!見よ!我が無双の軍勢を!
肉体は滅び、その魂は英霊として世界に召し上げられて、それでも尚余に忠義する伝説の勇者達!!
彼らとの絆こそ我が至宝!我が王道!!イスカンダルたる余が誇る最強宝具!!『王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ) 』なりぃいいいいいいいいい!」

「然り!然り!然りィィィ!」

小銭、星屑、しずくなのを取り囲み、小銭の檄に応じて天にも轟く閧を上げる数万の古代マケドニアの将兵たち。小銭はイスカンダルの愛馬であるブケファラスに跨り剣を天に振り上げる。ヘタイロイとはイスカンダルの近衛兵団を指す。重装騎兵団であり、その攻撃力は軽装騎兵や歩兵を圧倒する。

「おい小銭、何だこの大軍勢は!?お前が出したのか?」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.486 )

日時: 2017/02/22 19:58:40
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 4af004fef6

「小銭はああは言ったがやはりあの3人相手をマケドニア軍だけに任せるのは不安だ。行くぞしずくなの!」

「おう!そうこなくっちゃな!」

星屑が軍勢の渦中から飛び出さんと駆け出した。しずくなのも全身から魔闘気を放出しながら星屑に続く。


一方小銭とマケドニア軍は、そしてスカグルの3人は…

「よくも仲間をやってくれたわね!覚悟しなさい!」
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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.487 )

日時: 2017/02/23 10:08:13
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 15150208bf

「あっ…また失敗…」

黒い魔力球は小銭に届く前に消滅してしまった。ザラキを発動したクロノスの表情が青ざめる。

「小銭をクロノスのところへは行かせない!」

クロノスの右方に居た領那が全身に電流を流して放電しようとするが…

「暗琉襲撃破!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.488 )

日時: 2017/02/23 22:29:25
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 15150208bf

「ベホマズン!」

クロノスによる回復魔法。それは一度(領那は2度目だが)命を失ったスカグルのメンバー全員の亡骸に再び命の炎を灯す好意の魔法。聖なる光がそれぞれの無言の体を包み込み、新たな命を与える。

すると星屑、小銭、しずくなのに敗れて生き絶えた者達がムクムクと立ち上がる。揺らめきながら、蹌踉めきながら。それでも世界平和という夢の実現に向かってひた駆ける不屈の魂が復活した。更にクロノスは自分自身に回復魔法をかけ、星屑による体の損傷は完全に再生された。

「これが我々スカグルだ!何度倒れても蘇る!不死鳥の如く!」

スカグル総勢15人が立ち並び、星屑、小銭、しずくなのと相対する。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.489 )

日時: 2017/02/23 22:50:32
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 15150208bf

「まずい!小銭十魔め本気を出すつもりだ!撤退する!」

「了解!インビジブル!」

「逃がすかよ!『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』!」

小銭が持つ乖離剣エアから圧縮され鬩ぎ合う暴風の断層が擬似的な時空断層となって絶大な破壊力を生み出す。だがその時空断層がスカグルの面々に届く前に、彼らはその場から姿を消してしまった。当てるべき的を失った天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)は数十キロにも及ぶ広範囲の地面や木々などの物体を抉り、消滅させ、その爪痕を大いに残した。

「クソッ!逃げられたか…!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.490 )

日時: 2017/02/23 23:14:12
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 15150208bf

小銭、星屑、しずくなのvsスカグルの戦いから1週間が経過した。メンバーの1人による透明化魔法により逃げ果せたスカグル一行はアジトに身を隠していた。

スカグルの働きによりグリーン王国はガルガイド王国への侵攻を断念せざるを得なくなった。これによりランドラに続いてグリーンもガルガイドへの戦争をする力を失い、クロノスの計略『天下三分の計』の実現に近づいたのである。

そんな中、ガルガイド王国の国王・桑田貴透が是非スカグルを王都に招き入れ、活動の援助をしたいと口にしているとの情報が王国領中に広まっていた。桑田貴透はランドラとグリーンという二大大国の戦力を削り、戦争を阻止したスカグルの働きとその世界平和を目指す志に心を打たれたというのである。

「クロノス、この噂をどう見る?罠か?それとも…」

「桑田が今俺達を葬る理由は無い。何故なら俺達の存在や力がランドラやグリーンへの楔になるからだ。桑田からすればこの二大国に戦々恐々していた状況を打破した俺達は利用価値がある。俺達の存在を、力を利用したいというのが本音だろう。だから誘いに乗ることにする。天下三分の計の為にな。奴が俺達を利用するなら俺達も奴を利用する。それだけのことだ」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.491 )

日時: 2017/02/24 11:03:10
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 400a75830d

スカグル一行は城域の入口で国王・桑田に謁見する予定がある旨を衛兵に伝えた。衛兵が城門正面から身を退く。これが「通って良し」の合図である。

更に進んでいくと、城の本丸区画に入る。そこまで来れば本城は目と鼻の先だ。日本風に言えば天守閣というやつだろう。地上9層、半径900mにも及ぶこの本城は桑田が贅を尽くし、また防衛機能も申し分無い石造りのような、煉瓦造りのような外見の城である。

「我々はスカグル。俺はスカグルのリーダー・クロノス。桑田王に謁見する為に参った。お通し願いたい」

本城の入口を守る数百人の衛兵の代表者であろう、中世ヨーロッパ風の鉄製の甲冑に身を包んだ男にクロノスが伝える。

「国王陛下がお待ちです。お通り下さい」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.492 )

日時: 2017/02/24 12:03:17
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 400a75830d

「今この世界の北側ではこのガルガイドとグリーン、ランドラで三大国などとは言われているが…ガルガイドはグリーンやランドラに国力で劣っている。最近ではランドラとグリーンがこのガルガイドに向けて侵攻を計画していたが、おぬしらスカグルの働きで頓挫させることが出来た」

桑田は話を続ける。

「しかしまたいつ力を取り戻して我が国に侵攻してくるか分かったものではない。我がガルガイドはその為にも力をつける必要がある。

そこでおぬしらスカグルにはその間このガルガイド王国を守って欲しい。何、ただでとは言わん。おぬしらの活動に必要な資金や生活費の面倒を全て見る。住まいも提供しよう。高級アパートに(マンション風)1人1部屋用意してある。自由に使え。不足があれば遠慮無く申せ」

桑田は話し終えると傍に侍っている衛兵に顎で飲み物を持ってこいと指示する。如何にも贅沢な雰囲気が出ているトロピカルジュースを衛兵が受け取り豪快に飲み干す。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.493 )

日時: 2017/02/24 12:30:10
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 400a75830d

「どなたかな?」

視線を感じた方向にクロノスも視線を向ける。すると柱に隠れていた男が姿を現す。身長は平均的な現実世界の日本の成人男性と同じくらいで、一振りの剣、そして二丁小剣を腰に携えている。鷹のような鋭い眼差しはまるでクロノス達を凍てつかせるかのようだった。

クロノスは察した。この男、姿を隠すつもりなど無い。明らかに自分達を威嚇する為にわざと気配を丸出しにして視線を向けているのだと。

「お前らが噂のスカグルとやらか。その様子を見るに、国王陛下に拝謁してきたみたいだな」

「質問してるのはこっちよ!いきなり睨んできてどういうつもり?私達とやろうっての?!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.494 )

日時: 2017/02/24 13:07:47
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 400a75830d

グリーン王国 王都グリーンバレー

この王都グリーンバレーの一角に白を基調とした大きな、そう、250坪程の大きな屋敷があった。庭園には噴水や屋根付きの木製の雨宿り小屋など、如何にも金持ちの屋敷という感想を抱かせる造りである。

この屋敷の主は、ここ最近にこの異世界に転生してきた最強のヒーロー・水素である。

「水素様水素様、よろしいのですか?」

青髪ショートヘアのメイド・レムが部屋のソファに寝転がりながら漫画『ONE PANCH MAN』を読んでいる水素に声をかけてくる。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.495 )

日時: 2017/02/24 19:49:24
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 400a75830d

水素邸内 応接室

「で、用件は何かなアティーク大将軍」

ミスラの剣を腰に携え、黄金の腕輪を手首に装着しているこの男の名はアティーク。グリーン王国軍の頂点・大将軍の地位を占める男で、神の契約者である。

「これよりグリーン王国はランドラ帝国と同盟を結びガルガイド侵攻作戦を練り直す。水素、お前に協力して欲しい」

「やなこった。俺は戦争反対だ。茶と菓子くらいは出すが飲み食いしたら帰れ」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.496 )

日時: 2017/02/24 23:16:57
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 400a75830d

「桑田貴透…つまり管理人について噂がある。端末を操作して物事を操ったり、ギアスという能力を使って人を操ったりするんだ。桑田はそれで瞬く間に広大な領国を手に入れ、ガルガイド王国を建国した。因みにこの国名のセンスの無さだが…ポケモンで猛威を振るってるガルーラとポケモンガイドからつけたらしい。
…おっとそんなことはどうでもよかった。

んで、ガルガイド王国を建国したまではいいが、国力はこのグリーン王国と隣国のランドラに劣っている。桑田はスカグルによる工作を利用し俺達が動けない内に国力をつけて…グリーンとランドラを滅ぼしてやがては世界征服を目指す腹だ。

我がグリーン王国は基本的には平和主義だが平和を乱し民に害を為すガルガイド王国は強大化する前に叩かねばならない。それがぐり~んの考えでもある。

水素、お前が真に平和を愛するなら戦ってくれ。グリーン王国…いや、世界の為に!」

アティークが長い話を終えると一息ついてから水素の様子を窺う。
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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.497 )

日時: 2017/02/25 19:48:36
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: db2bd33865

アティークが水素邸を訪ねてから5日が過ぎた。

密かにではあるが、既に戦争への流れは形成されつつあった。グリーン王国とランドラ帝国の境にある「童帝寺」という寺院。100m四方の敷地面積で、三方を森林に囲まれているこの寺において、世界の命運を左右する密談が行われようとしていた。

ミスラの剣と黄金の腕輪、そして道服のようなものを古代ペルシャの甲冑の上に陣羽織の様に着ているグリーン王国の大将軍・アティークは副官のHopeや9名を引き連れて寺院の一部屋に入り、着座した。

テーブルを挟んで対峙するのは大将軍・セールとその副官・筋肉即売会、そして側近のくれない他8名。

寺院の外には待機している軍勢は居ない。あくまで密談なので、軍勢を動員すればガルガイド王国に動きが露見してしまうからである。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.498 )

日時: 2017/02/25 20:07:30
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: db2bd33865

「我らランドラ帝国はグリーン王国に武器弾薬、医薬品等を提供する。その対価として軍事行動に必要な量の兵糧をグリーン王国から提供していただく」

セールが控えている寺院の僧に目配せする。すると僧は起請文用の紙をセールに差し出す。

「互いに不足している物を補い合えば十分に軍事行動を起こせる。既に我が王ぐり~んからの許しは出ています。我がグリーン王国は鉄や木材、硝石等の武器弾薬に必要な原料の産出はそこそこだが、その分肥沃な土地故に米や麦、野菜や肉はよく取れる」

「我が国は鉄や硝石などは良く取れるが食糧の産出は微妙ですからな。では、互いにこの起請文に筆を」

グリーン王国は大穀倉地帯である。グリーンという名前だけに稲穂などが良く育つ。総石高は何と約3000万石。因みに豊臣秀吉が行った太閤検地の結果では、当時の日本の総石高は約1850万石。つまり1000万石以上グリーン王国の方が米が取れる。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.499 )

日時: 2017/02/25 20:33:27
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: db2bd33865

両国の同盟が、両国の軍のトップの間で、両国の王及び皇帝の許可の下で締結された。

同盟が締結された両国は早速お互いの国への必要物資の提供・搬入を行う。ガルガイド王国に動きが察知された時の為に、搬入作業の過程では荷駄隊に強力な護衛がつくこととなった。

ランドラ帝国側でこの任を命じられたのは北条及びオルトロス、そして赤牡丹でありグリーン王国側はマロン及び星屑と小銭、しずくなのである。特に星屑、小銭、しずくなのは物資保管庫をスカグルに破壊された失態を挽回すべく、この搬入作業を何としても成功させるという意気込みがあった。

荷駄隊の護衛を命じられた北条と赤牡丹は馬上から自軍を指揮して国境の寺院・童帝寺付近に続くゲノミン街道を進んでいた。

「隠密さん、胸騒ぎがしませんか」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.500 )

日時: 2017/02/26 15:30:52
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 848c2849db

魔力感知をした北条が行き着いたのは隊列から見て西方500m程の距離にある廃された石造りの塔。高さは50m、幅は半径60mといったところだろうか。

「我が軍の動向を覗いている者、居るのは分かっている!出て来い!」

「…距離はあった筈だが…。よく気づいたな」

薄暗い塔の上の階から何者かが階段を降りてくるコツコツという音が聴こえてくる。やがて現れ、薄暗い闇から、外の光が射し込むことで見えたその男は一瞬で北条の中に印象付けた。瞳が赤い光に覆われているのだ。

「その剣、二丁短剣…赤い光に覆われた瞳…能力者…軍人といったところか。だがお前など見たこともない。我が国の者では無さそうだな」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.501 )

日時: 2017/02/26 17:40:09
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 848c2849db

「火遁・火龍炎弾!」

北条がチャクラで軌道を操り大量の火炎を口から吐き出してエイジスが創り出した氷の壁を溶かしてしまう。

(居ない!?)

北条は氷の壁を溶かしたその先を視界に収める。が、そこにエイジスの姿は無かった。しかし感知能力を有する北条は鋭い。直後に背後からエイジスの存在を感じて右に跳んで斬撃を回避する。

(屋内だと奴が薄暗い暗闇から攻撃してくる…ならば!)

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.502 )

日時: 2017/02/26 19:20:12
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 848c2849db

天照による黒炎が北条とエイジスの周囲を取り囲む。

(これは確か万華鏡写輪眼の瞳術の一つ・『天照』…!まさか奴め、既に万華鏡写輪眼を開眼していたのか…!)

ジリジリとエイジスは反射的に、そう天照の恐怖から自分の意思とは逆に脚が一歩、また一歩と後ろへ退いていく。

「怖いか?この万華鏡写輪眼が。怖いだろう。だが恐怖を感じたことを恥じる必要は無い。この万華鏡写輪眼の前ではあらゆる能力者は無力となる。あらゆる能力者が恐怖する。今のお前の反応が自然なのだ。
だが安心するがいい。すぐにお前から永遠に恐怖を取り除いてやる。その命を永遠に絶つことでな」

「…そう、死とは即ち自由なり。魂の救済なり」
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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.503 )

日時: 2017/02/26 19:43:55
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 848c2849db

「イエス・ユアハイネス!オールハイルガルガイド!オールハイルクワタ!」

桑田が左眼から発せられる力をもってエイジスに命令を下すと、エイジスの瞳を赤い光が覆い、エイジスは洗脳されたかの様に桑田に服従を誓う言葉を叫ぶ。

(これは…ギアス…!月読を撥ね退ける力の正体はこれか!エイジスめ、桑田に操られていたのか)


「エイジス。お前は操られている!眼を覚ませ!お前は桑田にギアスをかけられている!」

エイジスの記憶を覗いた北条が幻術から帰ってきたエイジスに声をかける。
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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.504 )

日時: 2017/02/26 22:14:18
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 848c2849db

北条は左手に千鳥を発動、その雷遁チャクラにより積乱雲から巨大な稲妻の塊『麒麟』が出現する。

「雷鳴と共に散れ…!」

北条が千鳥を纏った左手を使い麒麟をエイジスへと誘導し、麒麟が音よりも速い速度でエイジスに直撃する。その破壊力は辺り一面を野原から更地へと一瞬で変えてしまう程だった。

「終わった…。氷河期さん…いやエイジス。安らかに眠ってくれ」

麒麟の影響でまだビリビリと稲妻が辺りに流れている。エイジスはというと、変化が解けて人間体になり俯せで倒れていた。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.505 )

日時: 2017/02/27 09:18:10
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 7863542b4a

それは北条の須佐能乎が持つ太刀でも傷一つつけられない頑強な樹木だった。北条は炎遁による黒炎の形態変化で黒炎を盾として須佐能乎にはりめぐらせる。が、この黒炎は対象を燃やし尽くすのに時間がかかる。無数の樹木や枝が須佐能乎に突き刺さり、その全身にヒビを入れていく。

「加具土命の剣!」

黒炎を固めて剣とし、須佐能乎の右腕から振り下ろし無数の樹木や枝を斬り裂いていく。しかしその先にエイジスの姿は無かった。

(また背後か…?芸の無い奴だ。…いや違う!上か!)

「炎遁・須佐能乎加具土命!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.506 )

日時: 2017/02/27 10:25:11
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 7863542b4a

刺し貫かれた北条の分身達から爆炎が噴き出し、エイジスを呑み込んでいくが冷殺剣の一振りで全てを薙ぎ払う。

『『『『『『『天照』』』』』』』

7人の北条により一斉に発動する天照がエイジスの出した氷の柱を次々と燃やし、エイジス自身の体にも…と思いきや…

(これは…)

エイジスの全身に幾重にも張り巡らされている精霊の加護により、天照の黒炎は防がれてしまったのだ。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.507 )

日時: 2017/02/27 13:35:17
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 7863542b4a

「土遁・多重土流壁!」

北条が印を結んで地面に両手を叩きつけると、岩で出来た壁が幾重にも現れて光り輝く矢を防いでいく。

「遅いな」

だがその隙を突いてきたエイジスの高速の剣技で対応が遅れた北条は心臓を貫かれた。

「グフッ…!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.508 )

日時: 2017/02/27 20:39:40
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 7863542b4a

「この万華鏡写輪眼を開眼せし俺を此処まで手こずらせたのは褒めてやる。アンタは別に弱くない。むしろ今まで戦った中で多分一番強かった。だからな恥じるな、誇って黄泉へと旅立て」

北条が既に声を発しなくなったエイジスに語りかけると同時に、突き刺していたエイジス胸から左腕を引き抜く。エイジスはうつ伏せになって横たわり、動かなくなった。

「しかし、俺もまだまだだな。万華鏡写輪眼だけでは足りん、万華鏡写輪眼を超える六道仙人の究極瞳術・輪廻眼を早く開眼したいものだ」

北条はそんなことを呟きながらエイジスの遺体に背を向けて歩き出した。


一方エイジスは…
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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.509 )

日時: 2017/02/28 12:30:09
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: a5a15e1151

「早く隠密さんに追いつかねば…まあ瞬身の術があるからすぐだが…」

北条はエイジスを倒したと確信して先に荷駄輸送の為に国境まで向かった赤牡丹やオルトロスらを追い始めようとしていた。

そこで、北条は違和感を感じる。いや、違和感というよりは…その違和感は膨大な魔力を感知したのだと次第に理解する。

「何だこのとてつもない量の魔力は…!まさか、殺した筈だぞ!?」

後ろを振り返る。すると精霊の光に包まれ膨大な魔力を解き放っているエイジスが立っているのを視認した。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.510 )

日時: 2017/02/28 17:01:39
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: a5a15e1151

「永久に幻術世界へと封印してやる!十拳剣!」

北条の完成体須佐能乎の右手に握られている霊剣・十拳剣がエイジスを貫こうとするが、エイジスは巨大の割に軽快な身のこなしで輪を作り十拳剣を回避する。エイジスはそのまま口から冷撃砲を発射する準備を行いながら完成体須佐能乎へと突き進む。

「八咫鏡がある以上貴様の攻撃など効きはしない!」

突き進んでくるエイジスに対し完成体須佐能乎が左手に持つ八咫鏡を向けて冷撃砲からの防御を図る。

「何!?」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.511 )

日時: 2017/02/28 20:54:17
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: a5a15e1151

黒炎を撒き散らしながら螺旋手裏剣は拡散、一気に膨張してから収束する。

「終劇」

炎遁・螺旋手裏剣は相手を焼き尽くすまで消えない炎と共に直撃した相手の経絡系をズタズタに斬り裂く奥義・極意レベルの術である。しかし…

止むどころかさらに大きくなって聴こえるエイジスの嘶き。螺旋手裏剣が魔力と冷気によって振り払われた先に北条が見たものとは…

『精霊変化・ユニコーン!!』

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.512 )

日時: 2017/02/28 21:44:58
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: a5a15e1151

振り下ろされた十拳剣。だがエイジスは精霊の加護によりその斬撃を受け付けない。更に八咫鏡を破壊出来ないと悟ったエイジスは八咫鏡の下に角を入れてテコの原理と有り余る膂力を利用して須佐能乎の手から吹っ飛ばしてしまった。

「チィッ!」

八咫鏡を失った須佐能乎の左手に千鳥を纏わせてエイジスに突き出す。エイジスの冷気の刃と千鳥が激突する。

「なん…だと…!?」

エイジスの角の冷気の刃が完成体須佐能乎の左腕に突き刺さり、ヒビが入ったのだ。まずいと思った北条は瞬身の術で後退し、エイジスから距離を取る。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.513 )

日時: 2017/03/01 22:43:01
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 129b8f21b2

イメージBGM→https://m.youtube.com/watch?v=Y0A9aEOt4MM

「尾獣共よ、俺に力を!」

北条が一尾から九尾までの全て尾獣のチャクラを集めて完成体須佐能乎に付与することで、そのチャクラが水色のチャクラとなって完成体須佐能乎の中身として現れる。そして背中に生えた二枚の翼を使いエイジスと同じ高さにまで浮上する。

一方エイジスは大きく嘶きながら角から特大の冷撃砲を発射する。

「餓鬼道・封術吸引!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.514 )

日時: 2017/03/01 23:07:09
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 129b8f21b2

エイジスと北条は互いに魔力、チャクラを使い果たして空から地へと落下しその場で倒れた。

「ハァ…ハァ…ハァ…この俺がここまで本気を出さねばならんとはな…!」

草薙剣を杖代わりに、抉られた地面に突き刺して蹌踉めきながら北条は立ち上がり歩き出す。既にチャクラを使い果たしたので輪廻写輪眼の黒い勾玉模様が消え、万華鏡写輪眼も通常の黒い瞳に戻っている。

「それは…こっちのセリフだ…。ユニコーンまで使う羽目になるとはな…」

エイジスもまた疲弊しきった体に鞭打つかのように立ち上がり、北条に向けてヨロヨロと歩き出す。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.515 )

日時: 2017/03/01 23:33:57
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 129b8f21b2

エイジスが次に眼を覚ましたのはガルドリア城内の医務室のベッドだった。

「此処は…?医務室…?」

ランドラ領内で北条と激闘を繰り広げ、そこで倒れた筈。誰かが自分を運んできてくれたのだろうとすぐに察しながら上体を起こそうとするも、ズキっと上半身全体に痛みが走る。

「…ッ!」

「まだ起きちゃ駄目だ。安静にしてなさい。魔力も体力も使い果たして限界の状態だったんだ無理も無い。あと数日は大人しく寝てなさい」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.516 )

日時: 2017/03/02 11:15:03
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: c9d5a4227d

一方北条はというと、やはりこちらも帝都の本城にある医務室のベッドで眠っていたが、まる2日眠っていたようだが、ついにその目をゆっくりと開いた。

「医務室か…」

何度か見慣れた真っ白な天井。横から射し込む日光。

まだ意識がぼんやりとしている。辺りを見渡す。誰かが居る。視界もぼんやりとしており誰だかははっきりと分からない。

「ようやく目を覚ましたようだな、まだら」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.517 )

日時: 2017/03/02 11:50:10
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: c9d5a4227d

話は少し遡る。北条がエイジスと激闘を繰り広げていた頃、荷駄隊を率いる赤牡丹やオルトロスも鋭く察知していた。そう、桑田が派遣した斥候である。

「ガルガイドの斥候は質が低いようだな。素人の俺にも気配を察知されるとは」

「所詮は三流国家だ。三流国家の斥候は所詮三下なんだよ」

拓けた野原から進んで森林の中へと続く道に出ていた。暫く進むと樹海や茂みに潜んでいる人間の気配を察知したのだ。

「出て来いよォ!三下ァ!」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.518 )

日時: 2017/03/02 12:27:47
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: c9d5a4227d

一方星屑、小銭、しずくなの、マロンはガルガイドが派遣した斥候にやはり勘付いていた。

「ハイウェイスター!」

性春大橋の戦いから日が経ち、星屑はスタープラチナ以外のスタンドも徐々に使えるようになってきていた。人型のスタンドを呼び出し、そのスタンドの匂いを追って追跡を始める。物陰に隠れている斥候の1人に取り付いて全ての養分を吸収し絶命させてしまった。

「雷光剣(バララークサイカ)!」

マロンは剣を鞘から引き抜いて雷撃を起こし、周囲の障害物を破壊、更に広範囲の地面すら抉る。尚、味方に当たるのは調整して避けた。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.519 )

日時: 2017/03/02 22:33:33
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: c9d5a4227d

赤牡丹率いる帝国軍と星屑率いる王国軍は童帝寺で合流、そこで互いに率いていた荷駄の交換を行った。互いに交換した荷駄をそれぞれの国許へと無事に届けることに成功した。


グリーン城 王の間

「今回の荷駄輸送、無事に完遂したようだな。よくやった星屑、しずくなの、小銭、マロン」

グリーンの4人への賞賛のイケボが王の間に響き渡る。

「元はと言えば俺らがしくじったから荷駄輸送する羽目になったんだがな。んで、荷駄輸送が終わったとなるといよいよ…」
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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.520 )

日時: 2017/03/03 13:07:20
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 2bcb72ccf6

ガルドリア城

エイジスの命懸けの偵察によりランドラ帝国とグリーン王国の同盟とガルガイド王国への侵攻計画が明るみに出ていた。二方面よりの大国からの侵攻に晒されることになったガルガイド王国は窮地に立たされた状況である。

エイジスの帰還と報告により事態を知った桑田は各地に斥候を更に放ち、それによりランドラ帝国軍は7万、グリーン王国軍は5万の大軍ということが発覚した。帝国の総大将はセール大将軍、王国の総大将はアティーク大将軍とのことだった。どちらも優秀かつ強力な指揮官であり、能力者である。

「国王陛下、如何なさいますか」

国王・桑田の側近の1人であるLパッチが報告を聞いて狼狽を隠せずに居た。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.521 )

日時: 2017/03/03 13:25:16
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 2bcb72ccf6

2000もの王族直属の近衛兵団に守られ、馬車に引かれながら太鼓侍は悠然とマツモト城前に到着する。太鼓侍の護衛を務めていたのはエイジスである。馬車には国旗であるモンスターボールが描かれおり、高貴な人間を乗せていることが窺い知れる。これは国王から認められた限られた高貴な人間のみが使える馬車であり、格式の高さを示すのである。

「長旅お疲れ様です。エイジス殿は写輪眼使いと戦って倒れた後の病みあがりだというのに…」

そう言って馬から降りたエイジスに迎え、手を差し伸べたのたのはガルガイド王国の将軍・まさっちだった。因みに総大将の出迎えなので此処ではふざけた話し方は控えている。

「いえ、国が直面している危機に比べれば俺のダメージなど些事に過ぎません。それに俺は回復が早いのが取り柄でね」

そう言ってエイジスは差し伸べられたまさっちの手を取る。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.522 )

日時: 2017/03/03 15:14:22
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 2bcb72ccf6

一方スカグルのリーダーであるクロノスは国王・桑田貴透に王の間に呼び出されていた。跪いているクロノスに桑田が上の段にある王座から声をかける。

「来たかクロノス。挨拶はいい。早速任務についてだが…」

「帝国戦線は太鼓侍殿やエイジス殿が向かわれたとお聞きしました。ということは我らはグリーン王国戦線」

「察しがいいな。分かっているとは思うがグリーン王国と帝国がこの国を滅ぼすようなことがあれば今度は王国と帝国で領土争いが必ず巻き起こる。そうなれば戦乱に歯止めがきかなくなる。三国の均衡こそ平和への道。グリーン王国を抑えなければ平和は無い。

向こうはアティーク大将軍を総大将とした5万の大軍だ。我らは既に帝国戦線に3万を派遣している。クロノスよ、2万の兵と共にグリーン王国を撃退せよ。まずは南方にあるグワダ城へ迎え。軍を率いるのは神チーだ」

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.523 )

日時: 2017/03/03 22:45:00
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 2bcb72ccf6

総大将である神チー率いる1万(残る1万は別の拠点)の兵が籠城するグワダ城に到着したスカグル一行はグワダ城に入った。クロノス、風炎、領那は早速神チーに挨拶する為に天守閣にある一室に出ていた。

グワダ城はグリーン王国との国境に近い要害であり、対グリーン王国戦線における重要拠点である。標高215mのグワダ山の上に建つ山城で、本丸、二ノ丸、三ノ丸とある。天守閣は5層に及ぶ。山という地形を生かして土塁を掘り土や石垣を高く積み上げたまさに戦争用の城だ。

更に、この城には工夫がなされている。それは馬出の存在である。馬出とは、半円型に築かれた反撃の為の拠点であり、狭い通路に敵が集中している時などに馬出から攻撃を加えることで大打撃を与える。これは戦国時代に甲斐武田家が好んで用いた仕掛けであり、大島城や新府城に用いられた。

「俺が総大将の神チーだ。この度の戦でグリーン王国戦線を任されている。貴殿らがスカグルか」

服装は至って普通の甲冑姿である。腹についている白いポケットを除いては。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.524 )

日時: 2017/03/04 10:50:54
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 34c9a35bba

「さて、我らグワダ城に籠る兵は1万。アティーク率いるグリーン王国軍は3万。この兵力差でどう迎え討つのか…それで考えてみたのだが」

神チーは地図を床机の上に広げながら話し始める。

「此処は鉄則通り籠城でいこうと思うのだが、異存は無いか?」

「異存無し。少ない兵で籠城から野戦に切り替える理由も無い」

平行四辺形が一番に返事をする。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.525 )

日時: 2017/03/04 13:48:54
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 34c9a35bba

神チーの話はこうだった。

城の前面の防備を一手に引き受けている大馬出は、城の軸からずらしてやや南に設けられている。これは、あえて脇を空けるように北側に空間を空けることにより、敵は北側に偏って攻めて来る。そこで三曲輪の北側隅に設けた桑田曲輪の兵に襲わせるという策である。

そして、敵兵力を削いだ後に桑田曲輪をわざと取らせる。そうすれば敵は更に二の曲輪や三曲輪からの横矢弾を浴びながら奥へと侵攻してくる。

本曲輪へと続く道だと錯覚した敵は行き止まりに当たり、そこで立往生した敵を残らず討ち取る。

このグワダ城は甲斐武田家の大島城や新府城で使われた甲州流築城術を使って築かれた要塞であり、その城の機能を遺憾なく発揮してグリーン王国軍を迎え討つ算段である。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.526 )

日時: 2017/03/04 18:28:43
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 34c9a35bba

一方アティーク大将軍率いるグリーン王国軍はグリーン城を進発、そのグリーン城で行われた出陣式には国の上層部のみならず多くの民衆も駆けつけ、将士達の勇姿を拝み、その勝利を祈願した。

大将軍アティークが拝将台に上がり、跪いて両手を差し出し国王グリーンより金銀が散りばめられた宝剣を賜る。

「大将軍アティーク!グリーン王国を代表して全軍を率い、平和を脅かす火種・桑田貴透を撃滅せよ!」

「ハハッ!グリーン王国大将軍アティーク、身命を賭してガルガイドを討ち果たします!」

見物している民衆からは拍手喝采が沸き起こる。アティークは両手で宝剣を受け取るとそのまま立ち上がり、姿勢を保ちながら壇上から下がる。そして後ろに控えている3万の将士の方に体を向け、グリーンより賜りし宝剣を天に向けて掲げる。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.527 )

日時: 2017/03/05 13:19:49
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 5c010e769a

アティーク率いる35000のグリーン王国軍はグワダ城から2kmの地点に差し掛かった。

「申し上げます!アティーク率いるグリーン王国軍が2km地点のグワダ山麓まで迫っております!」

「いよいよか。このグワダ城は難攻不落の堅城だ。かかって来いグリーン王国軍!」

第一陣、第二陣、第三陣、本軍、後詰と隊列を組んで幅100m程の街道を進んできたグリーン王国軍はこの標高200mのグワダ城からも一望出来る。万全の防備を固め、Lパッチとの連絡も取っている神チーは既に自軍がグリーン王国軍を撃滅して勝利に湧いている様がありありと脳裏に浮かぶようだった。

ところがである。

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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.528 )

日時: 2017/03/05 13:53:09
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 5c010e769a

マロンとしずくなのの10000はグワダ城を無視して、グワダ城に向かう桑田街道ではなく法田街道へと進路を取り、進軍を開始した。その様子なもちろん神チーらが籠城している桑田城からもハッキリと見える。

「申し上げます!グリーン王国軍のマロンとしずくなの率いる10000が法田街道を通り抜けて法田の坂に差し掛かりカンリの方へ進路を取っています!」

「見れば分かる!Lパッチの別働隊を食い止める為だろう。だが皮肉だな。攻めてきているグリーン王国軍が守る為に作戦を展開し進軍しているのだからな。だがLパッチ率いる1万はカンリ三山に陣取れば…山上に陣を張れば容易に奴らも抜くことは出来ない。膠着状態に持ち込めば侵攻は食い止められる。だがそれでは我らだけで残り25000のグリーン王国軍本隊を相手にせねばならん。援軍の見込みが無い籠城は愚策中の愚策…
アティークも考えたな。

だが忘れていないかアティークよ。我らにはまだ強力な援軍がある。冬将軍という援軍がな!」

神チーの言っている冬将軍とは、冬という季節、その季節がもたらす気候そのものだった。ガルガイド王国領は冬になれば積もるほどの雪が降り、寒さも厳しくなる北国の性質が存在する。厳しい寒さと雪の中で、グリーン王国軍はいずれ撤退を余儀無くされるのだ。
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「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」第二部( No.529 )

日時: 2017/03/05 14:46:46
名前: 敗北者 ◆QdPrBEB2zU
ID: 5c010e769a

神チー率いるガルガイド王国軍はグワダ城を出て法田の坂に差し掛かろうとしているアティーク率いるグリーン王国軍本隊の背後を突くべく法田街道に出て急行した。

その報せを持った伝令将校がアティークを追って馬上で礼をした後声を張り上げる。

「申し上げますアティーク大将軍!ガルガイド王国軍が桑田城を出て我が軍を追って進軍中!」

「ふふふ…ははははははは!!簡単に釣り出されてくれるとはな!よし、全軍反転!鶴翼の陣を敷くよう申した伝えよ!」

「ハッ!」

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